診療案内
不妊治療
不妊治療の現状
現在20人に1人は生殖補助医療(ART)による出生です。
30年前のARTと比べても胚の培養環境や凍結の技術、精巣内精子採取の技術などは格段に進歩して、以前なら妊娠を望めなかったカップルも出生が可能になっています。
ですが、40歳以上の出生率は思ったほど上がっていません。
そんな中、はり灸治療は妊娠を望む方のお役に立てることが少しずつわかってきております。
妊娠の成功の鍵
01
質の良い卵子と精子を用意できるか
02
体内または体外での受精ができるか
03
より良い子宮環境で着床できるか
04
妊娠を維持できるか
以上の4つが妊娠成功の大きな鍵となり、中には西洋医学でないと解決できない問題があります。
例えば、卵管が詰まっている場合などはいくらはり灸治療をしても自然妊娠は望めないでしょう。患者様の時間を無駄にしない為にも、何が原因かを確認した上でのはり灸治療を心掛けています。
当院では10年、修業時代を含め17年で多くの不妊症に悩むカップルのお手伝いをさせていただきました。上記の4つをはり灸でアシストすることで多くのカップルの妊娠のお手伝いを全力でさせていただきます。
鍼灸が不妊治療の力になります
01
採卵に向けて
卵巣の環境を整える
卵巣では日々卵胞が成長を続けており、最も初期の300〜1,000個の原始卵胞から数ヶ月から1年を掛けて排卵直前のたった1個の成熟卵胞にまで成長します。
こうして長い時間をかけて選別され毎月排卵されます。
卵胞は脳下垂体のホルモンによって発育しますが、そのホルモンは血流によって卵巣へ運ばれています。
さらに卵巣には大動脈から直接太い動脈で栄養が供給されていますが、この動脈には交感神経が巻き付いていて、ストレスなどで交感神経が強く働くと、血管を収縮させて血流が悪くなってしまうことがわかっています。
鍼灸治療は卵巣への血流の改善と自律神経の調整をすることで、交感神経の興奮を抑え、卵巣の環境を改善することに役立ちます。
02
子宮の環境を改善して
着床しやすくする
子宮では着床に必要な内膜が月経初日から厚くなります。月経からたった2週間で10mmまで増えます。着床しなければまた剥がれ落ちて再び月経になります。
このことからも子宮にも大量の血液が必要だということがわかります。子宮周囲の血流やホルモンバランスを整えることで、子宮の機能の改善が期待できます。
鍼灸治療は子宮動脈に分布する自律神経への刺激が可能で、内膜の状態を整えることに役立ちます。
03
ストレスに対する
鍼灸治療
ストレスは心身に対して大きく影響を与えます。自律神経の不調や抑うつ状態のようにメンタルが崩れることもあります。妊活中の方は「妊娠できないかも知れない」という不安を常に抱えていますし、通院の負担、仕事を休まなければならない負担、薬や注射の身体的負担、経済的な負担、治療を継続するには相当な負担がかかります。妊娠反応があるのかないのか「いつも白黒を突きつけられる」ことのプレッシャーは何より心に負担をかけます。
当院では、妊活をされている方に寄り添い、クリニックでの治療をアシストし、心身的な面へのケアを行っています。不妊治療が負担になっている上に、はり灸治療がさらに負担になるようなことは必ず避けます。また妊娠期のストレスに対するはり灸治療が産後うつのリスクも軽減できると考えております。